7.初めてのアパート購入

ここまでマンションの区分所有がメインだったのですが、やはり利回りが全然違うとアパートの購入を勧められ るケースが多くなりました。そこで12月はひたすら駅近、築浅の利回りの良いアパートを探しまくり、近くだと見に も行きました。条件が良く格安と実際行ってみると、車も通れない様な路地の奥でアクセスに問題ありと断念したり となかなか上手く行きません。やはり実際に見に行く事は重要ですね。

そんな中、利回り8%で駅から8分、平成10年のまあ築浅、価格2080万円の格安物件を見つけました。一階は1LDK、二 階は1R二つの合計3戸の小さなアパート一棟です。駅はJR高崎線で埼玉県大宮の一つ先の宮原と言う駅です。新宿駅 まで、東京駅まで、いずれも直通37分で埼玉にしては通勤は申し分ありません。何より女房の実家で土地勘もあり、 親近感があります。なので、即見に行きました。が、これが古びた感じも無く、周りが比較的新しい分譲住宅で雰囲 気は悪くありません。即座に購入を決断し、懇意にしている不動産会社社長に連絡し、仲介に入ってもらう事とし、 購入のアプローチを始めました。

ところが買い手の一番手さんがおり、私はちょっとの差で二番手となってしまいました。結果一番手さんの動向待ち となってしまった訳です。なんでも一番手さんはローンの打診をしているらしく、その結果待ちとの事でした。そし て蓋を開けて見ると一番手さんはローンが審査が降りず、二番手の私に話が回って来ました。大喜びで話を進め始め ました。そして、そのアパートの登記情報などの詳細情報も入手できましたが、12月の初旬からスタートして、待ち に待ってもう年末です。

そこへ年末29日一本の電話がありました。後で判るのですが、これが一本の救済電話となるのです。私の筆頭取引の メガバンク融資担当者です。5月に8千万円程の新規ローンとローンの借り換えを行った事もあり、年末の挨拶の電話 でした。「最近、どうですか?」との軽い問い合わせに「今、現金でアパートを購入しようと思い動いている所です 。」と回答し、さらに現金での購入を考えておったのですが。ローンの可能性も模索すべく「ちなみにアパート購入 でも以前と同様の利率でローン組めます!?」と聞くと、地べたがある分アパートは比較的条件良く出るとの事でし た。

一揆にローンでの購入が頭の中を駆け巡り、翌日その銀行に行き、アパートの詳細情報を見せ判断してもらう事とし ました。結果は、私も想定はしていたのですが、木造だと耐用年数が少なく、こちらは築年数もあり、やや厳しいと の事でした。それでも年明け登記簿取って詳しく調べて連絡するとの事でした。確かに平成10年築と言ってもRC構造 のマンションと木造のアパートでは同じ年数でも扱いが異なるよね、などと自問自答しながら銀行を出て、同じ銀行 内の同証券会社に寄って投資雑談し、銀行・証券を出ました。そして交差点で信号を待っていると・・・。

驚きです。先ほどの銀行融資担当者が追いかけて来ました。「まずいです、あの物件公道に面してませんね。私道の みですね。担保が厳しいです。」との事でした。追いかけて来て言うぐらいなんで、相当厳しいのね、との理解のま ま帰宅して、そこからネットで調べたり、親友の司法書士に聞いてみたり。そしてもう一度既に入手している登記情 報を見直し段々理解が深まります。アパートの前の道は完全に私道で、尚且つその私道所有者にそのアパート部分の 地番が入っておらず、つまり共有持ち分にさえもなっていない事が判りました。

ここまで来るとさすがに自分でも色々判断が付きます。一番手さんも物件10件の投資家さん、でもローンが降りず、 つまり私の銀行さんと同じ判断と言う事。そうなると出口戦略として構想の10年後売却を想定すると、ローンを利用 しての買主さんを期待できない、つまりキャッシュの買主さんのみと言う事。又、何かのおり私道の所有者にお伺い を立てる必要があり、又いつ私道使用料などを請求されてもおかしくない、と言う事になります。いや~、やはりリ スクが高過ぎます。よって購入直前で断念する事にしました。区分マンションの購入は慣れていますが、アパートの 購入は初めての事。まあ、色々勉強になりました。ある意味良い失敗例です(笑)。

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